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整式とは?【数学基礎】

整式とは?【数学基礎】

2024年11月23日

単項式

数や文字を掛け合わせてできる式を単項式といいます。例えば、

2x, \ -3x^{2}, \ 6ab

などは単項式です。また、数や文字だけの式も単項式です。つまり、

4, \ x, \ a^{2}

なども単項式です。

単項式の中で、数の部分をその単項式の係数といいます。また、掛け合わされている文字の個数をその単項式の次数といいます。例えば、

  • 2x の係数は 2 、次数は 1
  • -3a^{2} の係数は -3 、次数は 2
  • 6xy の係数は 6 、次数は 2
  • x の係数は 1 、次数は 1

です。xy^{2} のような文字だけの単項式は、文字の前に 1 が掛けられていると考えるので、係数は 1 になります。

数を単項式と考えるときは、係数はその数自身、次数は 0 と考えます。例えば、4 という単項式の係数は 4 、次数は 0 です。

多項式

単項式の和として表される式を多項式といいます。例えば、3x^{2}, \ x, \ -5 という3つの単項式を足し合わせると、

3x^{2}+x+(-5) = 3x^{2}+x-5

という多項式になります。

多項式に含まれる単項式を、その多項式のといいます。例えば、3x^{2}+x-5 という多項式の項は 3x^{2}, \ x, \ -5 です。

多項式の項のうち、文字を含まないものを定数項といいます。3x^{2}+x-5 の定数項は -5 です。

多項式

整式

単項式と多項式を合わせて整式といいます。ただし、単項式は項が1つの多項式と考えることができるので、整式と多項式は実質的に同じ意味です。

整式の項の係数は、整数である必要はありません。つまり、

-\frac{2}{3}xy + \sqrt{7}x + 0.2y – \pi

のような式も整式です。

一方、単項式の和として表せない式は、整式ではありません。例えば、

\frac{2x-3}{x^{2}+5}
3^{x}-\sin{x}

のような式は整式ではありません。

ある整式において、最も次数が高い項の次数を、その整式の次数といいます。また、次数が n の整式を n次式といいます。例えば、

  • 3x^{2}+x-5 の次数は 2 で、この式は 2次式
  • 4a-b^{3}+1 の次数は 3 で、この式は 3次式
  • x^{3}y^{2}-4xy+3x+y の次数は 5 で、この式は 5次式

です。

整式の次数は、着目する文字によって変わることがあります。ある文字に着目したとき、それ以外の文字は数として考えます。例えば、

x^{3}y^{2}-4xy+3x+y

という整式は、xy に着目したときは 5次式ですが、x に着目すると 3次式、y に着目すると 2次式になります。また、y に着目すると、-4xy という項の係数は -4x に、3x という項は定数項になります。

整式

整式の整理

整式の中で、文字の部分が同じ項を同類項といいます。例えば、

xy^{2}, \ -3xy^{2}, \ \frac{xy^{2}}{5}, \ \sqrt{7}xy^{2}, \ 2y^{2}x

はすべて同類項です。

同類項は係数部分を足し合わせることで、1つの項にまとめることができます。例えば、

\begin{eqnarray} 5x^{2}+x^{2}-3x^{2} &=& (5+1-3)x^{2} \\[0.5em] &=& 3x^{2} \end{eqnarray}

のように同類項をまとめることができます。同類項をまとめることを、整式を整理するといいます。

整式の次数を判断するときは、まず同類項をまとめる必要があります。例えば、2x^{2}+3x-2x^{2}+1 という式は、

2x^{2}+3x-2x^{2}+1 = 3x+1

と整理できるので、1次式です。

整式を見やすくするために、項の次数の順に並びかえることがあります。項の次数が高い順に並べることを、降べきの順に整理するといいます。一方、項の次数が低い順に並べることを、昇べきの順に整理するといいます。

例えば、-2x+3x^{3}+x^{2}-5 という式を、

  • 降べきの順に整理すると 3x^{3}+x^{2}-2x-5
  • 昇べきの順に整理すると -5-2x+x^{2}+3x^{3}

となります。

整式の整理や並びかえのときにも、特定の文字に着目して整理することができます。そのときも、着目していない文字を数として考えれば大丈夫です。

練習問題

問題

整式

2x^{3}y^{2}+xy^{3}+2x^{2}+x^{3}y^{2}-y+4+y^{3}-3x^{3}y^{2}+x^{2}

の同類項をまとめて整理し、降べきの順に整理したうえで、整式の次数と定数項を答えてください。また、文字 x に着目したときの次数と定数項を答えてください。

解答・解説

まずは同類項をまとめて整理します。式を見ると、x^{3}y^{2} の項と、x^{3} の項をまとめることができそうです。実際に整理すると、

\begin{align} &2x^{3}y^{2}+xy^{3}+2x^{2}+x^{3}y^{2}-y+4+y^{3}-3x^{3}y^{2}+x^{2} \\[0.5em] &= 2x^{3}y^{2}+x^{3}y^{2}-3x^{3}y^{2}+xy^{3}+2x^{2}+x^{2}-y+4+y^{3} \\[0.5em] &= (2+1-3)x^{3}y^{2}+xy^{3}+(2+1)x^{2}-y+4+y^{3} \\[0.5em] &= xy^{3}+3x^{2}-y+4+y^{3} \end{align}

となります。次に、式を降べきの順に整理します。項の次数が高い順に並べると、

xy^{3}+3x^{2}-y+4+y^{3} = xy^{3}+y^{3}+3x^{2}-y+4

となります。ここで、最も次数が高い項は xy^{3} で、その次数は 4 です。また、定数項は 4 です。

続いて、x に着目して降べきの順に整理します。このとき、着目しない y は数として考えます。

xy^{3}+y^{3}+3x^{2}-y+4 = 3x^{2}+y^{3}x+y^{3}-y+4

このとき、最も次数が高い項は 3x^{2} で、その次数は 2 です。また、定数項は y^{3}-y+4 です。


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