整数部分・小数部分【数学基礎】

整数部分・小数部分【数学基礎】

2025年2月1日

整数部分と小数部分

整数部分とは、正の実数を小数で表したとき、小数点より左側にある部分のことです。例えば、

  • \(\displaystyle \frac{9}{4} = 2.25 \ \) の整数部分は \(2\)
  • \(\sqrt{2} = 1.41421356\cdots \ \) の整数部分は \(1\)
  • \(\pi = 3.14159265\cdots \ \) の整数部分は \(3\)

です。

一方、小数部分とは、ある実数から整数部分を引いた数のことです。例えば、

  • \(\displaystyle \frac{9}{4} = 2.25 \ \) の小数部分は \( \ 2.25-2 = 0.25\)
  • \(\sqrt{2} \ \) の小数部分は \(\sqrt{2}-1\)
  • \(\pi \ \) の小数部分は \(\pi -3\)

です。

ここまでは、正の実数に限定して、整数部分と小数部分について説明しました。ここからは、整数部分・小数部分を負の実数にも拡張します。以下にその定義をまとめました。

整数部分・小数部分の定義

実数 \(x\) に対して、\(x\) を超えない最大の整数 \(a\) を、\(x\) の整数部分という。

この \(x, \ a\) に対して、\(b = x-a\) で定義される実数 \(b\) を、\(x\) の小数部分という。

以上の定義を踏まえると、例えば \(-2.3\) の整数部分は \(-2\) ではなく \(-3\) です。なぜなら、\(-2.3\) を超えない最大の整数は \(-3\) であり、\(-2\) は \(-2.3\) よりも大きいからです。また、小数部分は \(-2.3-(-3) = 0.7\) です。

上の例からも分かるとおり、小数部分は常に0以上1未満、すなわち \(0 ≦ b < 1\) です。

また、定義から明らかに \(x = a + b\) なので、すべての実数は整数部分と小数部分の和で表すことができます。

整数部分・小数部分

ガウスの記号

実数 \(x\) の整数部分を \([x]\) と表すことがあります。記号 \([ \ ]\) は整数部分を表す記号で、ガウスの記号と呼ばれます。\([x]\) の定義は、上で述べた整数部分の定義と同じです。すなわち、

\[\left[\frac{9}{4}\right] = [2.25] = 2\]

\[\left[\sqrt{2}\right] = [1.41421356\cdots] = 1\]

\[[-2.3] = -3\]

です。

定義から、\(x\) の小数部分は \(x-[x]\) です。また、上で述べたとおり、小数部分は常に0以上1未満なので、

\[0 ≦ x-[x] < 1\]

です。ここで、この不等式を変形すると、

\[-x ≦ -[x] < 1-x\]

\[x-1 < [x] ≦ x\]

となります。すなわち、整数部分 \([x]\) は \(x-1\) より大きく、\(x\) を超えません。

最後に、\(y=[x]\) のグラフを紹介します。これまでに説明した定義や \([x]\) の性質と照らし合わせながら確認してください。なお、グラフの黒丸はその点が含まれることを、白丸はその点が含まれないことを表します。例えば、\([2]\) は \(1\) ではなく \(2\) です。

y=[x]のグラフ

練習問題

最後に練習問題を用意しましたが、今回の練習問題は例題を兼ねています。解き方がよく分からなければ、解説から先に見ても構いません。

問題

以下の計算をしてください。

\(\displaystyle (1) \quad \left[\sqrt{8+2\sqrt{7}}\right]\)

\(\displaystyle (2) \quad \left[\frac{2}{1-\sqrt{2}}\right]\)

解答・解説

\((1)\)

計算を簡単にするために、まずは二重根号を外します。二重根号の外し方については以下の記事で解説しているので、ぜひご覧ください。

二重根号の簡約【数学基礎】
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二重根号を外すと、

\begin{eqnarray}
\sqrt{8+2\sqrt{7}} &=& \sqrt{(7+1)+2\sqrt{7 \times 1}} \\[0.5em]
&=& \sqrt{7} + 1
\end{eqnarray}

となります。

ここで、\(4 < 7 < 9\) なので、この不等式の各辺の正の平方根をとると、

\[2 < \sqrt{7} < 3\]

となります。さらに、不等式の各辺に \(1\) を足すと、

\[3 < \sqrt{7} + 1 < 4\]

となります。よって、\(\sqrt{7} + 1\) を超えない最大の整数は \(3\) なので、\(\sqrt{7} + 1\) の整数部分は \(3\) です。すなわち、

\[\left[\sqrt{8+2\sqrt{7}}\right] = \left[\sqrt{7} + 1\right] = 3\]

です。

\((2)\)

今度は分母の有理化が有効なパターンです。分母の有理化については以下の記事で解説しているので、ぜひご覧ください。

分母の有理化【数学基礎】
分母の有理化とは そもそも、分母の有理化とはなんでしょうか?次の式を見てください。 \[\frac{3}{\sqrt{5}+\sqrt{2}}\] この式は、分…
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分母の有理化を行うと、

\begin{eqnarray}
\frac{2}{1-\sqrt{2}} &=& \frac{2\left(1+\sqrt{2}\right)}{\left(1-\sqrt{2}\right)\left(1+\sqrt{2}\right)} \\[0.5em]
&=& \frac{2+2\sqrt{2}}{1-2} \\[0.5em]
&=& -2-2\sqrt{2} \\[0.5em]
&=& -2-\sqrt{8}
\end{eqnarray}

となります。分かりやすくするため、あえて \(2\sqrt{2} = \sqrt{8}\) という形で考えます。\(4 < 8 < 9\) なので、この不等式の各辺の正の平方根をとると、

\[2 < \sqrt{8} < 3\]

となります。不等号の向きが変わることに注意して、各辺を \(-1\) 倍すると、

\[-3 < -\sqrt{8} < -2\]

となります。さらに、各辺に \(-2\) を足すと、

\[-5 < -2-\sqrt{8} < -4\]

となります。よって、\(-2-\sqrt{8}\) を超えない最大の整数は \(-5\) なので、\(-2-\sqrt{8}\) の整数部分は \(-5\) です。すなわち、

\[\left[\frac{2}{1-\sqrt{2}}\right] = \left[-2-\sqrt{8}\right] = -5\]

です。


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