平方根とは
まずは平方根の定義について確認しましょう。平方根の定義は以下のようになります。
実数 \(a\) に対して、その平方根 \(x\) は
\[x^{2} = a\]
と定義される。
簡単に言うと、\(a\) の平方根とは、2乗して \(a\) になるような数のことです。
上の定義で、\(x\) を実数とすると、\(a\) は0以上の実数でなければなりません。なぜなら、実数の2乗は必ず0以上の実数になるからです。このことについては以下のの記事でも解説しています。あわせてご覧ください。

いずれ \(a\) が0未満の場合について考えるときがあると思いますが、ここでは \(a\) が0以上の場合に限って考えることにします。
上のように定義したとき、\(a\) の平方根 \(x\) を
\[x = \pm \sqrt{a}\]
と書きます。\(\sqrt{a}\) はルート \(a\) と読み、記号 \(\sqrt{\quad}\) を根号といいます。
ここで注意したいことは、正の実数 \(a\) に対して、その平方根は2つあるということです。すなわち、正の平方根 \(\sqrt{a}\) と負の平方根 \(-\sqrt{a}\) があります。ただし、\(0\) の平方根は \(0\) だけです。
定義から分かるように、\(\sqrt{1}=1, \ \sqrt{4}=2, \ \sqrt{9}=3, \cdots\) です。ただし、平方根が整数になるのは、根号の中身が整数の2乗である場合に限られます。また、平方根が有理数になるのは、根号の中身が有理数の2乗である場合だけです。それ以外の平方根は、すべて無理数になります。例えば、
\[\sqrt{2} = 1.4142135 \cdots\]
\[\sqrt{3} = 1.7320508 \cdots\]
\[\sqrt{5} = 2.2360679 \cdots\]
となり、これらはすべて無理数です。
なお、本来であれば、これらの平方根が無理数であることを証明する必要がありますが、ここでは省略します。のちに、その中の \(\sqrt{2}\) が無理数であることを証明する機会があると思います。

平方根の性質
平方根の計算をするまえに、平方根の性質をいくつか紹介します。まずは平方根と絶対値に関する性質です。
\(a\) を実数とすると
\[\sqrt{a^{2}} = |a|\]
が成り立つ。
この性質は、絶対値の定義そのものです。絶対値の定義についても上で紹介した記事で解説しているので、ぜひご覧ください。
次に、平方根の積と商に関する性質です。
\(a, \ b\) を正の実数とすると
\((\mathrm{i}) \quad \sqrt{a}\sqrt{b} = \sqrt{ab}\)
\(\displaystyle (\mathrm{ii}) \quad \frac{\sqrt{a}}{\sqrt{b}} = \sqrt{\frac{a}{b}}\)
が成り立つ。
証明
\((\mathrm{i})\) を証明してみましょう。
\(\left(\sqrt{a} \right)^{2}=a, \ \left(\sqrt{b} \right)^{2}=b\) なので、指数法則を用いると
\[\left(\sqrt{a} \sqrt{b} \right)^{2} = \left(\sqrt{a} \right)^{2} \left(\sqrt{b} \right)^{2} = ab\]
となります。
また、\(\sqrt{a}>0, \ \sqrt{b}>0\) より \(\sqrt{a} \sqrt{b} > 0\) なので、平方根の定義から、\(\sqrt{a} \sqrt{b}\) は \(ab\) の正の平方根です。このことは、上の式と平方根の定義の式を見比べるとわかります。よって
\[\sqrt{a} \sqrt{b} = \sqrt{ab}\]
となります。■
\((\mathrm{ii})\) も同様に証明できるので、ぜひやってみてください。
平方根の計算
上で確認した平方根の性質を用いて、平方根を含む式の計算をしましょう。平方根の計算の基本は、根号の中身をなるべく小さくすることです。そのやり方を例題で確認しましょう。
例題1
\(\sqrt{18}\) の根号の中の数をできるだけ小さくしてください。
解答・解説
平方根の積に関する性質 \(\sqrt{ab} = \sqrt{a}\sqrt{b}\) と、平方根と絶対値に関する性質 \(\sqrt{a^{2}} = |a|\) を用いて計算します。
\begin{eqnarray}
\sqrt{18} &=& \sqrt{3^{2} \times 2} \\[0.5em]
&=& \sqrt{3^{2}} \times \sqrt{2} \\[0.5em]
&=& |3| \times \sqrt{2} \\[0.5em]
&=& 3\sqrt{2}
\end{eqnarray}
上のように、平方根を簡略化するときは、まず根号の中身をいくつかの自然数の積として考え、自然数の2乗があれば根号の外に出します。
平方根の簡略化をすることで、以下のように平方根どうしをまとめることができます。
例題2
\(4\sqrt{20} + \sqrt{45} – 2\sqrt{5}\) をできるだけ簡単にしてください。
解答・解説
例題1のように平方根を簡略化してから、根号の中身が同じ項どうしをまとめます。
まずは \(\sqrt{20}\) を簡単にしましょう。
\begin{eqnarray}
\sqrt{20} &=& \sqrt{2^{2} \times 5} \\[0.5em]
&=& \sqrt{2^{2}} \times \sqrt{5} \\[0.5em]
&=& 2\sqrt{5}
\end{eqnarray}
次に、\(\sqrt{45}\) を簡単にしましょう。
\begin{eqnarray}
\sqrt{45} &=& \sqrt{3^{2} \times 5} \\[0.5em]
&=& \sqrt{3^{2}} \times \sqrt{5} \\[0.5em]
&=& 3\sqrt{5}
\end{eqnarray}
\(\sqrt{5}\) はこれ以上簡単にできないので、あとは根号の中身が同じ項どうしをまとめるだけです。同類項を整理するときと同じように、根号どうしをまとめることができます。
\begin{eqnarray}
4\sqrt{20} + \sqrt{45} – 2\sqrt{5} &=& 4 \times 2\sqrt{5} + 3\sqrt{5} – 2\sqrt{5} \\[0.5em]
&=& 8\sqrt{5} + 3\sqrt{5} – 2\sqrt{5} \\[0.5em]
&=& (8 + 3 – 2)\sqrt{5} \\[0.5em]
&=& 9\sqrt{5}
\end{eqnarray}

練習問題
問題
以下の式をできるだけ簡単にしてください。根号の中の数はできるだけ小さい自然数にしてください。
\((1) \quad \sqrt{18} + 2\sqrt{8} – \sqrt{50} – 2\sqrt{2}\)
\((2) \quad \left(2\sqrt{3} + \sqrt{5} \right)\left(2\sqrt{3} – \sqrt{5} \right)\)
\((3) \quad \sqrt{0.75}\)
解答・解説
\((1)\)
\begin{eqnarray}
\sqrt{18} + 2\sqrt{8} – \sqrt{50} – 2\sqrt{2} &=& \sqrt{3^{2} \times 2} + 2\sqrt{2^{2} \times 2} – \sqrt{5^{2} \times 2} – 2\sqrt{2} \\[0.5em]
&=& 3\sqrt{2} + 2 \times 2\sqrt{2} – 5\sqrt{2} – 2\sqrt{2} \\[0.5em]
&=& 3\sqrt{2} + 4\sqrt{2} – 5\sqrt{2} – 2\sqrt{2} \\[0.5em]
&=& (3 + 4 – 5 – 2)\sqrt{5} \\[0.5em]
&=& 0
\end{eqnarray}
\((2)\)
展開の公式を使います。\(\left(\sqrt{a} \right)^{2} = a\) であることに注意しましょう。
\begin{eqnarray}
\left(2\sqrt{3} + \sqrt{5} \right)\left(2\sqrt{3} – \sqrt{5} \right) &=& \left(2\sqrt{3} \right)^{2} – \left(\sqrt{5} \right)^{2} \\[0.5em]
&=& 2^{2} \times \left(\sqrt{3} \right)^{2} – \left(\sqrt{5} \right)^{2} \\[0.5em]
&=& 4 \times 3 – 5 \\[0.5em]
&=& 12-5 \\[0.5em]
&=& 7
\end{eqnarray}
\((3)\)
平方根の商に関する性質 \(\displaystyle \sqrt{\frac{a}{b}} = \frac{\sqrt{a}}{\sqrt{b}}\) を使います。小数を分数になおしてから計算しましょう。
\begin{eqnarray}
\sqrt{0.75} &=& \sqrt{\frac{75}{100}} \\[0.5em]
&=& \frac{\sqrt{75}}{\sqrt{100}} \\[0.5em]
&=& \frac{\sqrt{5^{2} \times 3}}{\sqrt{10^{2}}} \\[0.5em]
&=& \frac{5\sqrt{3}}{10} \\[0.5em]
&=& \frac{\sqrt{3}}{2}
\end{eqnarray}
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